Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぽうゆうしん
南方郵信
中村 地平
Lesen Sie 南方郵信 (なんぽうゆうしん) von 中村 地平 (なかむらちへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.899 Zeichen · 42 Bildschirme
実際、旦那の短気なのには、家人たちは全く閉口している。
一度などはいつもは、旦那が自慢にして飼っているレグホンの雌が、書斎にあがりこんで畳の上に糞を垂れた、ことがあった。すると、朝から虫の居どころがわるかった旦那は忽ち爺さんを呼びつけた。
「いくら畜生じゃからといって、横着にもほどがある。ほかの鶏への見せしめじゃ。生きたまま、みんな、毛をひん抜いてしまえ」
源吉爺さんは泣きだしそうな顔で、その無慈悲な命令を聞いていたが、口のなかでなにか意味のわからないことをつぶやいていると、旦那に又どなりつけられてしまった。
「ぶつくさ言いくさって、わりゃわしの言い草が気に要らんのけ。わしの言葉に承服でけんのなら、わりゃとっととこの家ば出てゆけ」
両手で尻を叩きながら、爺さんは慌てて裏庭へ駈けだして行った。なにか不服なことがある時、両手で尻を叩くのは爺さんの癖なのである。庭じゅうを追いかけまわして、やっとのことで雌鶏をつかまえると、爺さんは荒縄でその両脚をくくった。そして、無花果の樹の根もとに連れて行った。爺さんは庭土の上に片膝をつき、片手でその犯罪者の首根をおさえつけると、あとの手で一本、一本羽毛を抜いて行った。