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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんどくこう

単独行

加藤 文太郎

Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

猟師が右の方の谷へ下って、また引返しているのだが、冬期はその谷を下るのかと思って、悪いところを下り随分時間を浪費した。初めはいちいち引返したが、そのうち元気もなくなり、迷ったまま夏道より南の尾根を下って行った。そのうち尾根よりも夏道とのあいだの谷がよさそうなのでそれへ入った。この谷は一月五日の雨に、両側から物凄く雪崩が出て、氷のようになっていたので、輪カンジキでは辷り落ちたりした。アイゼンではまた、六日の新雪があって、ひどく潜るところがあった。この谷は悪場はなかったが、凄い雪崩道である。幸いこの日は風もなく、二〇〇〇メートル以下は霧だったので、雪崩は出なかった。だいぶ下ってから、滝があったので、また右の尾根へ取付いたが、藪が多く楽ではなかった。それに下の川の音を滝だと思って右へ右へと巻いたが、いくら巻いても音がするので、思い切って、尾根のように広い谷があったので、それを降りて行ったら難なく濁の川原へ出ることができた。冬期でも、烏帽子へは夏道を上下するとのことだ。川原にはまた、猟師の歩いた跡があって、すぐ濁の小屋へ着くことができた。濁の小屋には莚が三枚と畳があるだけで、寝るには寒いので、対岸にある、東信電力の金原氏のところに行って泊めてもらう。