Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんどくこう

単独行

加藤 文太郎

Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

正午頃霧がはれてあたりの山もよく見えたし、鉢伏山へ登りつつある人々さえ見えたのでちょっと安心した。ここまでくると附近の森林は切り払われていて、小代谷側は真白い斜面が下までつづいている。

かつて僕は雪の無いとき、この谷を登ってきて三ツヶ谷の頂上に立ったことがある。下の方にはちょっと田圃があり、中腹の尨大な斜面には杉苗が疎らに植林されてあった。しかし頂上附近はやはりブナの大木とスズ竹の物凄い藪であったから三角標石を探すのに随分と苦心をした。そのとき氷ノ山や鉢伏山にも登って三角標石の横に一寸ぐらいの柱を記念にたてた。しかし氷ノ山にはその後測量台がたったので取りのけられたらしく、今は見あたらない。三ツヶ谷の手前の峰への登りは相当大きなものであった。傾斜のゆるいあいだは階段登りで進んだが、急なところはスキーをぬいで歩いた。空腹と睡眠不足がこたえてきたし、風陰で割合暖かだったので居眠りをしながら登った。

しかし、この峰の頂きに登った頃はまた物凄く吹雪いてきた。そこからちょっと進んだところで不注意にも雪庇をふみはずして小代谷側へ落ち、ひどく身体を叩き付けられた。