Japanische Klassiker mit Furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme
Aは毎晩「今日は随分ひどく荒れたから、明日はきっといいお天気になるだろう」と考えながら、安心して眠るのでした。けれどその予想は毎朝、哀れにもくつがえされるのでした。やがて休暇も残り少なくなった三日目頃からAには会社のことが気にかかりだしました。その晩、Aは彼の母と、そして会社の課長の夢を見ました。
Aの母は、彼の山行を非常に心配する人でした。それは彼が山へ登るために時折会社を休むことがあったからなので、決して世の多くの母親のように「もしもあの子が山で遭難するようなことがあったら」というのではありませんでした。またAの上役たる課長はほんとうに人格者で、殊に情に発達した人でした。かつて、Aが山登りに興味をおぼえ、非常に熱の高かった頃、僅かな休暇だけではとても辛抱ができず、計画的に会社を休んで、山へ出かけたことがあります。そのとき彼は欠勤届を腹痛として、休むと同時に出しました。もちろん会社内の人は、彼の不正な行為に少しも気がつきませんでした。やがて山から帰ってきたAはそしらぬ顔をして会社へ出勤し、コツコツと働いていました。そのとき課長がいつもの時間に見廻ってきて、Aに「もう腹具合はよくなりましたか」