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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんどくこう

単独行

加藤 文太郎

Lesen Sie 単独行 (たんどくこう) von 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.799 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしこの道は吹雪いても迷うこともなく、ラッセルも楽だし、途中ところどころに小屋があり、中ノ湯等は防寒具もあるうえ松本から一日でくるのも困難ではないようだから徳本峠よりズッと安心だ。中ノ湯の上の長い隧道を出てからは夏道は橋のないところがあって困ったが、ここも積雪期は夏道を避けて河原に下り、川床伝いに行けば安全らしい。狭い谷伝いを終って広々とした上高地に入ればもう心配はない。発電所の水の取入口があるので、ここへよって上高地の状態を聞く。積雪量は二尺くらいで、温度は最低摂氏氷点下十三度くらいだという。上高地温泉には下赤松の奥原吉次郎という爺さんが番をしていた。この爺さんは上高地に雪が降りだし、人々が山を下ってしまった後の長い長い冬のあいだを、一人で温泉の番をし、ときどき訊ねてくる登山者の世話をしているのだ。そして再び春がやってきて、上高地の雪も消え、人々がまた山へ登ってくる頃になると、温泉の裏の静かな山の中で、ただ一人木をきりながら暑い夏を過すのだという。

十三日はあまりひどい吹雪ではなかったが終日つづいて、一ノ俣まで行くには差支えないと思ったが、常さんや発電所の水の取入口の人が遊びにくるので、ついのびてしまった。