Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はんこう

反抗

豊島 与志雄

Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は薄ら笑いに似た影を口元に湛えながら、何かを考え込んでるらしく眼を見据えていた。彼は何故ともなく不安になった。すたすた歩きだした。彼女も彼と並んでついて来た。いつまでも黙っていた。

当もなく裏通りを歩き廻ってるうち、ふいに電車通りへ出た。人影も電車の響きもなかった。がらんと静まり返ってる真直な通りに、街灯の光りだけが淋しく並んでいた。周平は急に立ち止った。種々な思いがすーっと何処かへ消えて、盲いたような気持になった。何のために夜更けの街路をお清と一緒に歩き廻ってたか、譯が分らなかった。

「もう何時でしょう。」とお清は呟いた。

二人はぼんやり顔を見合って佇んだ。謎のような気持が取残されていた。と、お清は俄に彼の眼の中を覗き込んできた。

「あなたはこれから下宿へ帰るつもりなの?」

周平はまだぼんやりしていた。

「仕様がないわ、こんなに遅くなって。私の家まで送って来て下さらない?」

周平は機械的に首肯いた。どうしようという意志もなければ、どうしていいかも分らなかった。また、それを考えもしなかった。

二人は水道橋へ出た。掘割の水が黒く淀んで、冷かな火影がちらちら映っていた。