Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こじょうのまひる

古城の真昼

野村 胡堂

Lesen Sie 古城の真昼 (こじょうのまひる) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.644 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

神田の倶楽部の二階で、エプロンをかけて、グラスを満載したお盆を持ち運ぶ時の様子とは大変な違い、第一今日は服装こそ至って粗末ですが、みっちゃんの顔は後光がさすほど綺麗です。

「こら出鱈目をいうな、先代は支那で亡くなったのは知って居るが、子供などがある筈は無い。私が別家から入って玉置家を相続したのは、法律上の正当な手続を踏んでした事で、何処の馬の骨ともわからぬ女の子などの知った事ではない」

「そんな事は私にはわかりません。もう弁護士に頼んでありますから、いずれ裁判所で何んとかして下さるでしょう……けれども、差しせまって、この石碑の謎は私が解かなければなりません。一昨年の夏至の日、私の伯父――お母様のお兄様に当る方――が、この城趾へ謎を解きに来て、大石に打たれて殺されてしまいました。昨年の夏至の日には、私の姉がこの城趾を訪ねて、これも謎を解きかけて短刀に刺されて殺されてしまいました。その噂を聞いて、私は遥々支那から帰って来たのです。私も殺されるかも知れませんが、殺されるまでに、お母様や伯父様やお姉様の志を継いで、この城趾の謎を解かなければならないんです」

美しい光子の頬には、夏の陽を受けて、汗とも涙とも判らぬものが光ります。