Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
「そんな、そんな馬鹿なことがあるものですか。畑柳庄蔵は二ヶ月以前刑務所内で病死した筈です」
「と信じられています。しかし、彼はよみがえったのです。土葬された墓の下で、蘇生したのです」
恒川氏は、井戸からはい出して、懐中電燈を、明智の顔にさしつけた。
「それは本当ですか。まさか冗談ではありますまいね」
「意外に思われるのはごもっともです。彼は蘇生しました。だが、自然の蘇生ではないのです。すべて彼の同類がたくらんだ仕事です」
明智は厳粛な面持で、奇怪千万な事実を語り始めた。
「容易ならん事だ。君は、それを知りながら、今までだまっていたのですか」
恒川氏は、素人探偵に出し抜かれたくやしさも手伝って、思わずはげしい口調になる。
「イヤ、故意に隠し立てをしていた訳ではありません。僕も、やっと昨日、それを知ったのです」
明智はいいながら、話しを明るくするために、物置の天升からブラ下っていた、ほこりまみれの電燈を点じた。薄暗い五燭光であったが、暗になれた目には、まぶしい程、パッと、部屋の中が明るくなった。
「それを探り出した功労者は、僕のところの文代さんです。あの人が、Y刑務所の医員の一人を、うまくあやつって、とうとうそれを聞き出して来たのです」