Japanische Klassiker mit Furigana
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のろいのダイヤモンド
呪の金剛石
野村 胡堂
Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme
赤鼻で目っかちで、竹の子笠を冠って、襟のかかった双子縞の袷に、肩から飴の箱をブラ下げた爺、これだけ目印しがある上に、チャルメラという音楽入で宣伝して通るのですから、馴れたものが跡をつけるには、左まで骨は折れませんでした。
大船から藤沢へ出て聞くと、左へ片瀬へそれた様子。半日がかりで片瀬の町をシラミ潰しに、漸く件の飴屋が、草鞋を脱いだ家というのを見付けましたが、何んという事でしょう。その飴屋が二日前に、何を感じたか、飴箱を背負ったまま、身投げをして死んでしまったというのです。飴の売行が思わしくなかったか、それとも、故郷へ帰る根が無くなったか、それは解りませんが、兎に角私と「足の勇」も、そう聞いた時は、海へでも入って死んでしまい度いような、滅入った心持になりました。
念の為に――本当に念の為に――飴屋の爺が、美しい青い石を持っては居なかったかと聞くと、木賃のお神さん横手を打って、
「あの青い美しい石なら、身投をする前の日、宅の子供へくれましたよ。形見の積りだったんでしょう」
と申します。有難いッ、その子供が何処に居るかと聞くと、今しがた、青い石を持ったまま、浜の方へ遊びに行った様子だという。