Japanische Klassiker mit Furigana
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のろいのダイヤモンド
呪の金剛石
野村 胡堂
Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme
というと、女は躍起となって、
「イエイエそんな冗談や洒落じゃ御座いません、それは、こんな不思議な品を手に入れてからなんですが、若しかしたら、原因はこれではないかと思います」
こんな女は、身体中がポケットです。何処かへ手を入れてスルリと出したのは、女持の腕時計ほどある見事な青い石、クッションも何んにもあるわけはありません。無残な裸のまま、汚い応接の卓の上に載せて、私の方へこう押し出したのです。
「何んだいこれは?」
手に取って見るまでもなく、たった一と目で私は、目まいがする程驚きました。
それは、初夏のイタリーの空よりも碧く、夕空にかかる、この節の金星よりも輝やかしい、名も知れぬ一顆の宝石なのです。
私は素人で何んにも解りませんが、ダイヤにこんな青いのがあるとは思われません。光沢や切りようは、疑いもなくダイヤですが、色があまりに鮮麗な青ですから、どうかしたらエメラルドかも知れないと思いました。
が、エメラルドにしても、こんな素晴らしい品は、ジュマの小説の中へ出て来るモンテ・クリスト伯なら知らず、実在にはローマの大寺院や、ロシアの旧ロマノフ家にもあろうとは思われません。