Japanische Klassiker mit Furigana
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のろいのダイヤモンド
呪の金剛石
野村 胡堂
Lesen Sie 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.393 Zeichen · 28 Bildschirme
応接間と言ったところで、普通の日本間の八畳に、絨毯を敷いて椅子卓を置いただけですから、障子一重の外はすぐ十坪ばかりの植込で、木立の下の木戸をあけると、外はもう往来になって居ります。この美しい舞踊家をつけねらってる者があったとすれば、麗らかな春の午前で、折柄障子は開けっ放しになって居りましたし、庭木戸を開けて忍びこんで、後ろから一挙に襲撃すると、自分の姿を見られずに、大概の事が片付けられたろうと想像されます。事実春日野ゆかりの襲撃方法は、それ以上に手のこんだものでは無かった様です。
紛失物は一つもありません。警察側では、商売柄痴情関係と睨んだようですが、そうなると嫌疑者が多過ぎて困る位、どこから手を着けていいか、さぞ当局者も驚くだろうと、私は苦笑を禁じ得ませんでした。
それでも女中のお栄が、この二三日、汚ならしい西洋人が付け廻して居ましたから、あれに相違ありませんと極力申したのですが、
「浅草で人造金の指環を売って居た外人と判って居れば、直ぐ捕るだろう、心配することは無いさ」
主任の警部はこう軽くあしらって居ります。紛失物が無かったので、浮浪外人は大して重要な嫌疑者ではなかったのです。