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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいそうろく

回想録

高村 光太郎

Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

現在でも、私はものを書いたりする場合に、母のそれを思い出したりして、語感の上に非常に役立っているのを感じる。決して使えない言葉がいろいろあって、それが詩など書く時に本能的にひどく働くのだ。使いたくても変えるより仕方のない言葉とか表現の仕方とか沢山あって、それは母に教えられたことなどが本能的に出て来るのだと思う。自分のことから推して、言葉遣いで教えるということは非常にいい方法で、言葉の訓練ということはこれからの人にも大切だと私は思っている。

子供の時分、私は夜が怖かった。今住んでいるこの家のある辺りは、以前は千駄木林町と言って、寛永寺のお台所の薪用の山であった。昔、鷹匠が住んでいた所で、古い庭園など荒果てて残って居り、あたりは孟宗竹の藪や茶畑、桜や櫟の林が一面で、父の家はその竹藪に囲まれた中にあった。だから鼬や狐も居た。その前は谷中にいたが、彼処は墓地で、五重塔の下の芥坂という所は「投込み」といって、東京で首括りとか身投げなどの身許の分らない者を身寄りの者が出て来るまで仮に埋葬する所であった。浅く埋めてあるから、時々足や手を犬がくわえ出したりしているのが見えたりして、昼間は平気だけれど、夜になると怖かった。