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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

危うくもういっぺん笑い出しそうになるのを我慢して、「女義界五厘問題大紛糾」という記事のところへ、意味なく目をば落していた。

……でも、世の中のことはわからない。この小助六、今夜のうちに涙を流すことなしと、どうして、誰が、言い切ることができ得ようか。

そのときだった。

素晴らしい音締の撥さばきが、若い女の甘いあだっぽい溶けるような唄声と一緒に流れてきた。

※(歌記号、1-3-28)そなたまでがそのように

主をおもうてくりゃるもの

わしが心を推量しや

なんの因果に このように

愛しいものか さりとては……

新内の「明烏」だった。

うまいなあ、女にしちゃあ。

感心して小助六は聞いていた。

ときどきしゃがれてかすれる節廻しが、傾城浦里の悲しい挽歌としては、かえってふさわしかった。

聞いているうち、だんだん唄の世界へ魅き入れられて、甘酸っぱい哀愁に、キューッと小助六は胸をしめつけられてきた。

哀々切々の思いをたしかにこの唄い女は身をもって嘆き、愁しみ、訴えている感じだった。

うまい。

じつに巧い。

いよいよ小助六は感に堪えた。

※(歌記号、1-3-28)傾城に誠なしとはわけ知らぬ