Japanische Klassiker mit Furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
「ヘイ」
「お前アいい若えものだ。ましてこれからどんどん売り出そうって江戸っ子の芸人だ」
「ヘ、ヘイ」
「それが、いい間の振りをして大道で一本五厘の焼鳥なんぞ食べるようじゃ、しようがねえや。気をつけろよ、これから」
「あいすみません」
下げていた頭をさらに下げた。
「わかったな、オイほんとうにわかったな」
重ねて師匠は念を押した。
「ほんとに、ほんとにもう気をつけます」
「よし」
大きく肯いて、
「ぐずぐずしてると、二軒目の席が遅れる。行け、早く。どこだ二軒目は」
「神田の白梅なんで」
「ウム。早く行け」
「ヘイ。あいすみません」
文字通り虎の尾を踏み毒蛇の口を逃れたる心地して、居並んでいる師匠方へ挨拶もそこそこにションボリ楽屋裏の梯子を下りていこうとしたとき、
「待て待て今松」
頭の上から師匠の声がまた追いかけてきた。
「ヘイ」
梯子段の途中へ停まってふり向くと、師匠の赤い怖ろしい顔が目の上いっぱいにひろがっていた。
「どこの店だ、お前のその食べたっていう一本五厘の焼鳥屋は」
「ソ、それだけはもう師匠、御勘弁を」
梯子段の中ぶらりんで消えも入りたい今松だった。
「言ってみろ言って。