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Japanische Klassiker mit Furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme

Aozora Bunko

「アラ今松小父さん――」

ニコッと大きな目で見上げて、

「阿父ちゃん御商売」

ちげえねえ、はるばる一つ木から帰って来るんだもの。いまだ帰らないほうが当たり前だった。

今いまだ時間のことにしてやっと八時を廻ったばかり、田圃では初蛙が啼き立てていた。

「じゃ阿母さんは」

「阿母ちゃん、御用」

「ソ、それであんたとおいち婆やとお留守番か。よくお眠にならないね、お六ちゃんは」

「だって」

トロンと目の据っている今松の顔をまた見上げて、

「阿母ちゃんがお土産買って帰ってきてくれるって言ったんだもの」

「ナールほど、そいじゃお六坊寝られねえわけだったなあ」

「うん」

コクリと子供はうなずいた。なんともその様子があどけなく、可愛らしかった。ふッといま今松は、師匠への憤りをさえ、忘れてしまっていた。

「オお六ちゃん、髪結ってやろうか髪、今松小父さんが髪を」

プーッと酒臭い呼吸を吐き出しながらベタベタとお六の傍へ座ると、はちはちとんぼに結っている髪へもう片方をかけていた。

「うん……うん」

お六は合点合点した。

「よウし」

大きくひとつ顎をしゃくって、

「じゃ小父さん、唐人髷に結ってやろう。