Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Lesen Sie 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.226 Zeichen · 295 Bildschirme
もうこの世の中に生きている望みはない。不実者の源次郎、浜田屋一家、よもそのままに置くべきか。私の覚悟はこの通り』
と言うと用意の剃刀を取って留める暇もあらばこそ、思い切ったる咽喉の気管へパッとばかりに突き立てる。その拍子に寝乱れの兵庫髷の元結が切れて丈なす髪が前にバラバラと乱れた物凄さ」
巧く旦那衆が調子を合わせてくれたため、意外にトントンと本題まで入って来られたが、もう今松は夢中だった。
しゃにむに、噺へつかまって、筋を運んでいった。
タラタラ冷汗が、額へ滲んだ。
舌がカラカラに乾いてきた。
それを悟られまいと、なおのこと、一生懸命にしゃべり立てた。
元より怪談らしい凄味もなんにも漂いはしなかったが、「たらちめ」のお嫁さんにさえ、お艶の姿を思い描いてはしゃべる今松。
ましてや仲之町張りの凄艶の美人小夜衣を今語るには、いっそう心という心をひとつにひたすらお艶の幻ばかり目で追い続けて、しゃべっていった。
それが思いがけないあだっぽい雰囲気を、しみじみと滲み出させることができた。
根が落語家の、いくら堅い調子を出そうとしてもやわらかくなっていってしまう欠点も、かえってこうした狭斜の世界の物語だけに聞き苦しくはなかった。