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Japanische Klassiker mit Furigana

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よるのくつ

夜の靴

横光 利一

Lesen Sie 夜の靴 (よるのくつ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

砂糖だ。」

相好を崩してそういう参右衛門の髭面へ、鍋炭が二本灼痕のように長くついていて、味噌や醤油を作る夜とはだいぶ様子が違っている。大人に見えるのは清江一人だ。

十一月――日

路の両側から露れて来た茨の実。回復して来た空に高く耀く柿の実。紅葉の中から飛び立つ雉子の空谷にひびき透る羽音。農家はこうしてまた急がしくなって来たようだ。朝霧の中で揺れている馬の鬣。霜の降り始めた路の上で鳴りきしむ轍の音――

一俵千五百円で二十五俵を都合をつけてくれという闇師が、先日からこの村へ潜入して来ている。東京までトラックで運ぶということ、そんなことは出来るものではないという結論で、これは纏らなかった様子だが、そのときから米の値は一躍騰った。一升が四十円ほどになって来たのだ。東京からの通信では六十円から七十円になっている。一升五円以上の値で売るものなどこの村にはないのうと、そう久左衛門の云っていたのは夏のことだ。それが二十円になったときには村のものらは眼を見張ったものだが、今は誰もが、暴れ放された駻馬を見るように田の面を見ているばかりである。

「これじゃ、この冬は餓え死するものは多いのう。