Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
この旅は横須賀在の公郷村に遠い先祖の遺族を訪ねるためであるが、江戸をも見たい。自分は長いことこもり暮らした山の中を出て、初めての旅に上ろうとしている。」
こういう意味の手紙を半蔵は中津川にある親しい学友の蜂谷香蔵あてに書いた。
「君によろこんでもらいたいことがある。自分はこの旅で、かねての平田入門の志を果たそうとしている。最近に自分は佐藤信淵の著書を手に入れて、あのすぐれた農学者が平田大人と同郷の人であることを知り、また、いかに大人の深い感化を受けた人であるかをも知った。本居、平田諸大人の国学ほど世に誤解されているものはない。古代の人に見るようなあの直ぐな心は、もう一度この世に求められないものか。どうかして自分らはあの出発点に帰りたい。そこからもう一度この世を見直したい。」
という意味をも書き添えた。
馬籠のような狭い片田舎では半蔵の江戸行きのうわさが村のすみまでもすぐに知れ渡った。半蔵が幼少な時分からのことを知っていて、遠い旅を案じてくれる乳母のおふきのような婆さんもある。おふきは半蔵を見に来た時に言った。
「半蔵さま、男はそれでもいいぞなし。どこへでも出かけられて。