Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
」
「馬籠のお父さんと半蔵さんとは、よい親子ですって。」
「そうかなあ。」
「兄さんも、わたしも、親には早く別れましたからね。」
「何かい。神葬祭の話は出なかったかい。」
「わたしは何も聞きません。兄さんがこんなことは言っていましたよ――半蔵さんも夢の多い人ですって。」
「へえ、おれは自分じゃ、夢がすくなさ過ぎると思うんだが――夢のない人の生涯ほど味気ないものはない、とおれは思うんだが。」
「ねえ、あなたが中津川の香蔵さんと話すのをそばで聞いていますと、吾家の兄さんと話すのとは違いますねえ。」
「そりゃ、お前、香蔵さんとおれとは同じだもの。そこへ行くと寿平次さんの方は、おれの内部にいろいろなものを見つけてくれる。おれはお前の兄さんの顔を見ていると、何か言って見たくなるよ。」
「あなたは兄さんがきらいですか。」
「どうしてお前はそんなことを言うんだい。寿平次さんとおれとは、同じように古い青山の家に生まれて来た人間さ。立場は違うかもしれないが、やっぱり兄弟は兄弟だよ。」
半蔵はお民のからだを心配して床につかせ、自分でも休もうとして、いったんは妻子のそばに横になって見た。