Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
峠からも、荒町からも、中のかやからも。時には隣村の湯舟沢、山口からも。年若な半蔵は自分を育てようとするばかりでなく、同時に無学な村の子供を教えることから始めたのであった。
山里にいて学問することも、この半蔵には容易でなかった。良師のないのが第一の困難であった。信州上田の人で児玉政雄という医者がひところ馬籠に来て住んでいたことがある。その人に『詩経』の句読を受けたのは、半蔵が十一歳の時にあたる。小雅の一章になって、児玉は村を去ってしまって、もはや就いて学ぶべき師もなかった。馬籠の万福寺には桑園和尚のような禅僧もあったが、教えて倦まない人ではなかった。十三歳のころ、父吉左衛門について『古文真宝』の句読を受けた。当時の半蔵はまだそれほど勉強する心があるでもなく、ただ父のそばにいて習字をしたり写本をしたりしたに過ぎない。そのうちに自ら奮って『四書』の集註を読み、十五歳には『易書』や『春秋』の類にも通じるようになった。寒さ、暑さをいとわなかった独学の苦心が、それから十六、七歳のころまで続いた。父吉左衛門は和算を伊那の小野村の小野甫邦に学んだ人で、その術には達していたから、半蔵も算術のことは父から習得した。