Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
一行六、七人のうち、こちらから行った馬籠の人足たちのほかに、中津川からは宗泉寺の老和尚も松雲に付き添って来た。
「これは恐れ入りました。ありがとうございました。」
と言いながら松雲は笠の紐をといて、半蔵の前にも、庄兵衛たちの前にもお辞儀をした。
「鶴さんですか。見ちがえるように大きくお成りでしたね。」
とまた松雲は言って、そこに立つ伏見屋の子息の前にもお辞儀をした。手賀野村からの雨中の旅で、笠も草鞋もぬれて来た松雲の道中姿は、まず半蔵の目をひいた。
「この人が万福寺の新住職か。」
と半蔵は心の中で思わずにはいられなかった。和尚としては年も若い。まだ三十そこそこの年配にしかならない。そういう彼よりは六つか七つも年長にあたるくらいの青年の僧侶だ。とりあえず峠の茶屋に足を休めるとあって、京都の旅の話なぞがぽつぽつ松雲の口から出た。京都に十七日、名古屋に六日、それから美濃路回りで三日目に手賀野村の松源寺に一泊――それを松雲は持ち前の禅僧らしい調子で話し聞かせた。ものの小半時も半蔵が一緒にいるうちに、とてもこの人を憎むことのできないような善良な感じのする心の持ち主を彼は自分のそばに見つけた。