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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいりきものがたり

大力物語

菊池 寛

Lesen Sie 大力物語 (だいりきものがたり) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.677 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、尾張の女は、以後商人達を悩ますなと、いましめてから許してやった。その後美濃狐は、小川の市に来なくなったので、市人達は皆欣び合って、平かな交易がつづいた。

この尾張の女は、そうした大力にも似合わず、その姿形は、ねり糸のようにしなやかであった。そして、その郡の大領(郡長)の奥さんであった。あるとき、主人の郡長のために、麻の布を織って、それを着物に仕立てて着せた。それは現在の上布のようなものでしなやかで、すこぶる品のよい着物であった。ところがこの郡長がそれを着て、国司の庁へ行くと、国司が、それを見て、ほしくなったと見え、「その着物をわしによこせ。お前が着るのにはもったいない」と、云って取り上げたまま返さない。

五

郡長が家に帰ると、今朝着せてやった着物を着ていない。妻である尾張の女がそのわけを訊ねると国司にまき上げられたと云う。妻は、あなたはあの着物を心から惜しいと思うかと訊いた。すると、良人は極めて惜しいと思うと答えた。すると、尾張の女は翌日国府へ出かけて行って、国司に面会を求めて返してくれと云った。すると国司は、うるさがって、この女を追い出せと、役人達に云いつけた。