Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
Lesen Sie 大和路・信濃路 (やまとじ・しなのじ) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.165 Zeichen · 115 Bildschirme
そうして或る晴れた日、その麓にある当麻寺までゆき、そのこごしい山を何か切ないような気もちでときどき仰ぎながら、半日ほど、飛鳥の村々を遠くにながめながらぶらぶらしていたこともあった。
主 その二上山だ。その山に葬られた貴い、お方の亡き骸が、塚のなかで、突然深いねむりから村びとたちの魂乞いによって呼びさまされるあたりなどは、非常に凄かったね。森の奥の、塚のまっくらな洞のなかの、ぽたりぽたりと地下水が巌づたいにしたたり落ちてくる湿っぽさまでが、何かぞっとするように感ぜられた。
客 全篇、森厳なレクヰエムだ、古代の埃及びとの数種の遺文に与えられた「死者の書」という題名が、ここにも実にいきいきとしている。
主 毎日の写経に疲れて、若い女主人公がだんだん幻想的になって来、ある夕方、日の沈んでゆく西のほうの山ぎわにふと見知らない貴いおかたの俤を見いだすところなども、まだ覚えている。
客 あの写経をしている若い女のすがたは美しいね。僕はあそこを読んでからは女の手らしい古い写経を見るごとに、あの藤原の郎女の気高くやつれた容子をおもい出して、何んとなくなつかしくなる位だ。