Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
Lesen Sie 大和路・信濃路 (やまとじ・しなのじ) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.165 Zeichen · 115 Bildschirme
ふとそのなかに茣蓙の敷いてあるのが目にとまったので、僕はいそいで靴をぬごうとすると、その儘あがれという。そこで僕はほんのまね事のように外套を叩いたり、靴の雪を払い落したりして、首をこごめるようにして幌の中にはいった。そのなかはまあ二人で差し向いに腰かけるのがやっと位だが、そこには座蒲団や毛布から、火鉢の用意までしてある。火鉢には火もどっさり入れてある。――寒いから、その火鉢に足をのせて、その上からその毛布をかけよと云ってくれる。そう云うとおりに、僕がそこにあった毛布をひろげて膝の上にかけ出すのを見とどけると、馭者は幌をすっかり下ろして、馬のほうへ飛んでいった。
※(アステリズム、1-12-94)
やがて雪橇はごとんごとんと動き出した。あまり揺られ心ちのいいものではなかった。それに幌には窓が一つもついていないので、全然おもての景色の見られないのが何よりの欠点だ。――このままこうしてごとんごとんと揺られながら、毛布の中に小さくなっていたんでは、いくら寒さはしのげても、なんにも見えず、わざわざ雪のなかまでやってきたかいがない。そこで幌を少しもち上げてみたが、その位のことでは、道ばたに積みあげられた雪のほかは何んにも見えない。