Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜんのどくりつ
大岡越前の独立
直木 三十五
Lesen Sie 大岡越前の独立 (おおおかえちぜんのどくりつ) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.968 Zeichen · 24 Bildschirme
六
と、いうと、帯刀は立ち上って
「重国が、一本出来してまいった。御気に召さば、御差料に」
と、挨拶すると、老人は、信祝が合図の紐を引いて、鈴を鳴らすのも待たないで、襖をあけた。一間へだたった所にいた侍が、周章て立つと
「御帰館に御座りますか」
と、御辞儀をした。
六
「これは、御奉行様」
と、庄屋は、炉へ投出していた脚を、周章て引込めると、襟を合せて、坐り直した。下男は、牛小屋へ引込むし、子供は、母親に引張られて、吃驚しながら、納戸へ逃込んでしまった。庄屋は、不意の郡奉行の訪問に、心臓をしめつけられながら、炉べりで平伏した。
「少し、尋ねたい事がある」
「はい、はい」
と、両手を突いたまま平伏してしまっていた。
「上らしてもらうぞ」
「はっ」
と、いった庄屋は、洗足の水を取らせようと、家のものを見廻したが、誰もいないので
「これはこれは」
と、いって両手を突出している内に、郡奉行は上ってしまった。
「流石に寒いのう」
と炉へ手をかざしていると、一人の侍が入ってきた。奉行は振向くと
「さ、こちらへ、むさい所で――」
と、いった。庄屋は
「誰か、早くお茶をもって来んかい」
と、怒り声で叫んだ。