Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

ます。

「御勉強のようですね」

「いいえ、何もしていやしませんの」

「御病人は……」

といって、北原が、二間打抜きの源氏香の隣りの間を、そっと見ると、屏風を後ろにして、炬燵を前につっぷしている一人の人を認めました。

「有難うございます」

お雪はまだ何だか落ちつかない心持で、隣りの間にも気が置けるらしい。

さては、と思った北原は、盗むように隣りの間のその当の人を、なおよく認めようと試みました。

しかし、それは無駄でありました。その人は、面を横にして、炬燵の蒲団の上に摺りつけているものですから、どうにもその面影を見て取ることはできません。

面影は全くわからなかったが、炬燵の傍に机があって、その上に一管の短笛が置かれていることは、めさとく認めないわけにはゆきません。それに、僅かながら、うかがうことのできるその人の風采骨柄は、思ったよりは全く若い人だ――といっても無論、お雪ちゃんと相似の人では決してないが、存外すっきりした風采だと思われました。

どちらにしても、病みほおけた骨格を想像していた北原にとっては、むしろこれは、容貌瀟洒というに近いほど、こなれている人だ。