Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして、前の弁財天の傍の、ごく細い道のところまで辿って来たのを、よく見ると、手には何やら杖をついて、面は六部のような深い笠でかくし、着物は修験者が着る白衣の、それもそんなに新しいものではないこともわかります。

この人は、やっと細道を辿って来たのが、ここはやや平らになったので、杖で行手をさぐりさぐり歩みはじめました。

お豊は、この時も一心ですから、少しもこの人に気がつきませんでした。

七

歩んで来た白衣の人は、しばらく、弁財天の小祠の傍に棒のように突立っていました。

闇の中に白衣ですから、うすら鮮やかというほどによくわかります。

「あれ――」

ようやくに気のついたお豊は狼狽しました。

「誰かいる――」

白衣の人は、ほとんど聞えぬくらいの小さな声で呟きました。

してみると、今までお豊がここにいたことは気がつかなかったので、お豊が狼狽てて着物をとりかかろうとしたから、はじめて人のここにいることを感づいたらしいのです。

「誰かいる――」

と小首をかしげた上で、お豊の方に向き直って眼をつけるかと思うと、そうでなく、白衣の人は、そのまま杖で地面を叩き、極めて徐かに大師堂の方へ小道を辿って行きます。