Japanische Klassiker mit Furigana
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いきにんぎょう
天狗笑い
豊島 与志雄
Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme
歩けと甚兵衛はいってみました。人形はひとりでに歩きだしました。それから、踊れといえば踊るし、坐れといえば坐るし、人形はいうとおりに動き廻るのです。甚兵衛は呆れ返ってしまいました。そしてぼんやり人形を眺めていますと、その背中が、むくむく動きだして、中から、猿が飛びだしてきました。
「甚兵衛さん、びっくりなすったでしょう。なあに、私が中にはいっていたんです。あの人形は空っぽで、背中に私の出入口がついてるのです。大蛇を退治てくださったお礼に、これから私が人形を踊らせますから、それであなたは一儲けなさい。私も山の中より町の方が面白いから、御飯だけ食べさしてくだされば、長くあなたの側に仕えて、人形を踊らせましょう」
なるほど猿が中にはいっておれば、人形がひとりでに踊るのも不思議ではありません。甚兵衛は手を打って面白がりました。
やがて町の祭礼となりますと、甚兵衛は一番賑やかな広場に小屋がけをしまして、「世界一の人形使い、独りで踊るひょっとこ人形」という看板をだしました。町の人たちは、あの馬鹿甚兵衛がたいそうな看板をだしたが、どんなことをするのかしらと、面白半分に小屋へはいってみました。