Japanische Klassiker mit Furigana
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いきにんぎょう
天狗笑い
豊島 与志雄
Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme
正面に広い舞台ができていました。間もなく甚兵衛は、大きなひょっとこの人形を持ちだし、それを舞台の真中に据えまして、自分は小さな鞭を手に持ち、人形の側に立って、挨拶をしました。
「この度私が人形をひとりで踊らせる術を、神から授かりましたので、それを皆様にお目にかけます。このとおり人形には、なんの仕掛もございません」
そういって彼は、手の鞭で人形を二、三度叩いてみせました。それから鞭を差上げていいました。
「歩いたり、歩いたり」
人形は歩きだしました。
「廻ったり、廻ったり」
人形はぐるぐる廻りました。
「踊ったり、踊ったり」
人形はおかしな恰好で踊りました。
「飛んだり、跳ねたり」
人形は飛び跳ねました。
見物人は驚いてしまいました。なにしろ人形が独りで動き廻るのは、見たことも聞いたこともありません。皆立ちあがって、やんやと喝采しました。中には不思議に思う者もあって、舞台を調べてみたり、人形を検査したりしました。けれどももとより、舞台にはなんの仕掛もありませんし、猿は人形の中にじっと屈んでいますので、誰にも気づかれませんでした。そして、やはり、甚兵衛は神様から人形使いの法を教わったということになりました。