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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.830 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

東野南次はそんな照れ隠しをいいながら、急ぎ足に自分の部屋に近づくと、扉をあけて母親を招じ入れました。

「お邪魔いたしますが、少々お目にかけ度いものがありまして」

椅子に掛けると、母親の礼子は懐から帛紗包を出して、東野南次の前に押しやるのです。

「これは? 曾我野さん」

東野南次は、母親の礼子をこう呼んでいたのです。

「それを御覧下さいませんか。そして、先生のお考えを伺いたいのですが」

「――――」

東野南次は礼子の視線を浴び乍ら、静かに帛紗を解きました。

中から現われたのは、美しい封筒に入れて、日付順らしく束ねた手紙の一と束。

試みにそのうちの一通を取って、中身を抜いて見ると、予期しないことではありませんが、それは幽里子の頼みに応じて、東野南次自身の書いた、例の恋文の一つではありませんか。

署名は幽里子、それに不思議はありませんが、宛名は幽里子自身の手で書き入れたらしく、それは「東野南次先生」となっているのです。

次のも、次のも同じことでした。十本の恋文を見ると、十本全部東野の書いたもので、一本の例外もなく、宛名は東野南次になっているのでした。

「――――」