Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.841 Zeichen · 22 Bildschirme
翌年の春、本国に引揚げた阿武隈大膳正は、最早三十七歳の分別盛りでしたが、邪悪淫蕩な血は五体を駆けめぐって、一日、一刻も無事な日は暮せないようになって居りました。
「紋弥、居るか」
「ハッ」
寵臣三文字紋弥は、旅衣の埃も払わぬ主君の前に呼び出されました。
「今年もまた千人美女を選び出させるとしようか」
ニタリと大膳正は笑って居ります。
「恐れ乍ら、その術は最早古いかと存じます」
「それは又何故じゃ」
「村々へ布令を廻した位では、美女佳人は隠してしまって、決して御前には差出しません。それより御領内の美女を悉く集めた上、その顔は申すに及ばず、身体から身のこなしまで御覧の上、殿御自身にて御鑑定に叶いました者を御留置き遊ばされる工夫が御座います」
「それは何うするのじゃ」
大膳正は乗出しました。
「少し時節は早う御座いますが、御領内から、嫁入前の眉目よき娘を狩り集め、女ばかりの盆踊りをいたさせるので御座います。唯の人形のように坐った御目見得と違って、手振り身振り面白く踊る娘達の中から、御好み次第に選り出せるので御座います」
「それは面白いな、早速村々に布令を出して、番組を作るがよい。