Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

私の小説の多くは、五十センチ多く跳んだ者に、あとからウジウジとメソメソと文句をつけて行くような小説だ。私は爽快に逞しく五十メートルも跳ぶような小説を書きたいと思った。

こうした願いは、事変と共に私のうちに起きたものであった。外から要求されたものというより、私としては、うちにおのずと起きた一種生理的な欲求のようなものであった。だが、私にはそうした小説がどうも書けなかった。いたずらに欲求が衝き上げてくるだけで、それを小説に具体化することができない。そこで、その欲求は充たされないで、私のうちに鬱積し、私は一種のヒステリーみたいになっていた。

私は戦場へ行ったら、そのヒステリーみたいなのから救われるかもしれないと思った。だが、私には、同胞が生命を賭して戦っているところへ、戦いに加われない丙種の私が行くことは、いかにも「見物」に行くみたいな感じで、どうにも気がひける想いだった。戦場は私をそのような眼で見ないにしても、こっちで、申し訳ない想いだった。見物人ということを自他ともにあきらかにしつつ、――いわば生命安全の見物人と書いた紙をおでこに貼り付けて歩くみたいなことは、生命をささげて戦っている兵隊さんに済まない感じだった。