Japanische Klassiker mit Furigana
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Lesen Sie 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.508 Zeichen · 236 Bildschirme
「カマトトッてなんですか」
朝野は薄笑いを浮べた、色の悪い顔をペロリと撫でおろして、
「――鯛に食いあきると、ゲテものの鰯が食いたくなる。だが、他人にはそんな本心を隠して、わしゃ食いたいわけじゃないナンテ言うのを、カマトトというですな」
いそいそと親切に、そうして誇らしげに雅子を私にひきあわせてくれた朝野だったのに、――今はそれを悔いている、私の「毒牙」を憎み呪っているというのをはっきり、その言葉に出していた。
――間もなく私は朝野と別れた。
ひとりになって私は、朝野から「鯛に食いあきて鰯を食おうとしている男」とされた自分を改めてみつめた。
私は別に鯛に食いあきた覚えはないが、――小柳雅子に寄せる想いに、果して一種の野心がふくまれてないかどうか、厳重にしらべると、ないとキッパリは言えないのである。
だが、言えないというような自分を考えることは、ひどく恥かしかった。そして、そのような男と朝野から思われたということは、ひどく恥かしい、――ひどく辱かしめられた想いだった。
もしかすると、雅子も私をそのような男と見ただろう。もしかすると? ――いや、たしかに、そう見ただろう。