Japanische Klassiker mit Furigana
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme
煙突掃除屋の足にしちゃ、あんまり綺麗すぎらあ」
「そうですよ。それに、さっきから見ているのに、ちっとも動かないのが変ですよ。あんなことをして、煙突の中へ首を突込んでいちゃ、下では火を焚いているんだから、さぞ熱いでしょうにね」
「イヤ、熱かあないんですよ。あれは死骸ですよ。ああして自殺をしたんですよ」
別の一人が口をはさむ。何てまあ変てこな会話であろう。
「自殺ですって。フフ、奇抜な自殺もあったもんだなあ。併し、なぜ裸体でいるんでしょう。いやにムチムチした綺麗な足じゃありませんか。あれは女ですぜ、しかもきっと若い女ですぜ」
「イヤ、自殺じゃありませんよ」群集の真中から一人の青年が反駁した。「これはきっと他殺ですよ。あの女は、あすこで殺されたんですよ。僕は最初から見ていたんですが、誰もまだ気が附かない時分に、あの煙突の鉄梯子を、猿の様に駈け降りて行った奴がある。黒い服を着た男でした。今考えるとあいつが下手人ですよ。煙突の上で殺人罪が行われたんです」
「ハハハ……、そんな馬鹿な話ってあるもんじゃねえ。態々煙突の上まで昇って、人殺しをする奴もねえもんだ」
誰かが笑い出す。