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Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

殿村夫人も、堪えかねて、老人を睨みつけながら、つめ寄った。

白髪白髯の土木請負師は、これらの攻撃に答えようともせず、そこに空いていた一脚の椅子に腰をおろしたが、ふと妙な顔をして、身体をモジモジさせながら、お尻の下から、一枚の紙片を引っぱり出した。

「ホホウ、何だか書いてある。又赤蠍奴の下手な手品が始まったのかな。イヤ、そうでもなさそうじゃ。ごらんなさい。こんなことが書いてある」

人々は又しても出現した奇怪の紙片を無視する訳には行かなかった。十いくつの顔が、テーブルの上に集まって、そこに投出された紙片の文字を読んだ。

午後二時三十分、憎むべき賊は逮捕されるであろう。そして、桜井品子は無事救い出されるであろう。三笠龍介

何と、その紙切れには、当の老探偵三笠龍介の署名があったではないか。

「冗談をしている場合ではない。三笠さん、少しお慎み下さらんと困る」

相川氏が苦り切って、頓狂な老人を叱りつけた。

「イヤ、御免御免、つい賊の真似をして、手品を使って見たまでじゃ。併し、そこに書いて置いた事は間違いありません。そういうことになるのです」

老人は落ちつき払っている。