Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖虫 (ようちゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.290 Zeichen · 239 Bildschirme

Aozora Bunko

「アア、そうでしたか。それを知らなかったものだから、びっくりしてしまった。すると何ですね。さっきの青眼鏡の男は、最初短刀で一寸だめし五分だめしにすると云ってから、このメニュに書きつけてある日と場所とを云った訳ですね。つまり、(明日の晩十二時)(谷中天王寺町)(墓地の北側)(煉瓦塀の空家の中で)と」

相川青年は、メニュの仮名文字を判読しながら云った。今度は彼の方が真剣になっていた。

「マア怖い。そこで誰が殺されるのでしょう。一寸だめし五分だめしなんて」

珠子もゾッと恐怖を感じないではいられなかった。

「ですから、私、小説の筋でも話し合っていたのではないかと思ったのです。こんな所で、あんまり恐ろしい話ですもの」

「僕も大方そんな事だとは思うけれど、併し小説の筋にしては少しおかしい所もあるし、それに、こんな大勢人のいる食堂などが、却ってそういう秘密の相談には安全だとも云えるのです。若しあの二人が、そこへ気がついて、本当に人殺しの相談の場所としてここを選んだとすると、実に抜け目のない恐ろしい悪党ですよ」

相川青年は珠子の所謂「探偵さん」の本領を発揮して云った。