Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よめとりにだいき

嫁取り二代記

山本 周五郎

Lesen Sie 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.763 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

勘兵衛は眼を細くして褒めたてる。お笛はますます身を縮めながら、わきあがってくる羞恥を持て余していた。

「お笛を娶る事承知いたし候」

と勘兵衛は江戸の甥に手紙を書いた、「そこもと帰藩までには親許も定め置く可く、挙式は来春二月と予定仕り候。お笛こと、そこもとはただ若気の熱にて引取りしならんが、国老職を継ぐ可きそこもとの妻として二なき女たること、そこもとより拙者の方よく見抜きおり候――」

鑑識のあるところを示しておかぬと圧しが利かぬ。

「また、そこもとはおのれ独り粋な妻を持つなりと己惚れているやも知れねど、そは馬鹿の独り良がりに候。今こそ打明け候、(驚くなよ)拙者の亡き妻、即ちそこもとの伯母お信こそ、拙者若くして江戸詰の折、執心にて娶りたる柳橋の名妓に候。えへん――に御座候」

勘兵衛はどうだと云わんばかりに、つるりと額を撫でて結びにかかった。

「されど伯父、甥二代続いての芸妓妻、もうこの辺で打止める可く、そこもとの子には決して決して罷り成るまじく候……」

明けてゆく庭前で、鶯が啼きはじめた。