Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こどものびょうき

子供の病気

芥川 竜之介

Lesen Sie 子供の病気 (こどものびょうき) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.633 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

Sさんは日の暮にも洗腸をした。今度は粘液もずっと減っていた。「ああ、今晩は少のうございますね」手洗いの湯をすすめに来た母はほとんど手柄顔にこう云った。自分も安心をしなかったにしろ、安心に近い寛ぎを感じた。それには粘液の多少のほかにも、多加志の顔色や挙動などのふだんに変らないせいもあったのだった。「あしたは多分熱が下るでしょう。幸い吐き気も来ないようですから」Sさんは母に答えながら、満足そうに手を洗っていた。

翌朝自分の眼をさました時、伯母はもう次の間に自分の蚊帳を畳んでいた。それが蚊帳の環を鳴らしながら、「多加ちゃんが」何とか云ったらしかった。まだ頭のぼんやりしていた自分は「多加志が?」と好い加減に問い返した。「多加ちゃんが悪いんだよ。入院させなければならないんだとさ」自分は床の上に起き直った。きのうのきょうだけに意外な気がした。「Sさんは?」「先生ももう来ていらっしゃるんだよ、さあさあ、早くお起きなさい」伯母は感情を隠すように、妙にかたくなな顔をしていた。自分はすぐに顔を洗いに行った。不相変雲のかぶさった、気色の悪い天気だった。風呂場の手桶には山百合が二本、無造作にただ抛りこんであった。