Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものびょうき
子供の病気
Lesen Sie 子供の病気 (こどものびょうき) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.633 Zeichen · 12 Bildschirme
何だかその匂や褐色の花粉がべたべた皮膚にくっつきそうな気がした。
多加志はたった一晩のうちに、すっかり眼が窪んでいた。今朝妻が抱き起そうとすると、頭を仰向けに垂らしたまま、白い物を吐いたとか云うことだった。欠伸ばかりしているのもいけないらしかった。自分は急にいじらしい気がした。同時にまた無気味な心もちもした。Sさんは子供の枕もとに黙然と敷島を啣えていた。それが自分の顔を見ると、「ちとお話したいことがありますから」と云った。自分はSさんを二階に招じ、火のない火鉢をさし挟んで坐った。「生命に危険はないと思いますが」Sさんはそう口を切った。多加志はSさんの言葉によれば、すっかり腸胃を壊していた。この上はただ二三日の間、断食をさせるほかに仕かたはなかった。「それには入院おさせになった方が便利ではないかと思うんです」自分は多加志の容体はSさんの云っているよりも、ずっと危いのではないかと思った。あるいはもう入院させても、手遅れなのではないかとも思った。しかしもとよりそんなことにこだわっているべき場合ではなかった。自分は早速Sさんに入院の運びを願うことにした。