Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
それまではあの家もちゃんと戸締りがしてあったのです。それから老人が戸を開けた時分には、もう大分弥次馬が出ていて、あの古道具屋が休憩所みたいになってしまったのだから、犯人の逃げ出す暇はなかった筈ですが、まさかあの老人達が共犯者で犯人を匿ったと思えませんからね」
「君の云う通りですよ。僕もそんな風に考えた」
「それから、もっと確かなことは、天井裏を通抜けたとすれば、そこのちりの上に足跡か何か残っている筈なのに、警察で調べて何の痕跡もなかったではありませんか。又縁の下にしても、皆金網張りなんかで通れない様になっていたではありませんか。まさか犯人が根太板を破り、畳を上げて這入ったとも考えられませんからね」
「その通りです。だが、もっといい通路があるのです。まるでここから御這入りなさいと云わぬばかりの、極く極くありふれた、それ故に却って人の気づかぬ大きな通路があるのです」
「天井と縁の下以外にですか。まさか壁からではないでしょう」
「いや、そんな風に考えてはいけない。壁を破ったり、根太をはがしたり、小細工をしないで、何の痕跡も残さず、堂々と出入り出来る箇所があるのです。