Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

エドガア・ポオの小説にね、『盗まれた手紙』というのがある。読んだことがありますか。あるかしこい男が手紙を隠すのだが、最もかしこい隠し方は隠さぬことだという考えから、無雑作に壁の状差しへ投込んで置いた所、警察が家探しをしても発見することが出来なんだ話です。これを一方から云うと、誰も知っている様な極く極くあからさまな場所は、犯罪などの真剣な場合には、却って閑却され気附かれぬものだということになります。僕の云い方にすれば、一種の盲点の作用なのです。初代さんの事件でも、云って了えば、どうしてそんな簡単なことを見逃したのかと馬鹿馬鹿しくなる位だが、それが先に云った賊は『外から』という観念に禍された為ですよ。一度『中から』とさえ考えたなら、直ちに気づく筈なんだから」

「分りませんね。一体どこから出入りしたのですか」

私は相手にからかわれている様な気がして多少不快でさえあった。

「ホラ、どこの家でも、長屋なんかには、台所の板の間に、三尺四方位、上げ板になった所がある。ね、炭や薪なんかを入れて置く場所です。あの上げ板の下は、大抵仕切りがなくて、ずっと縁の下へ続いているでしょう。