Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
何ぜ私はこんなに大きくなったのでしょう。そして、色々なことを知ってしまったのでしょう。
(中略)
おとしさんが、何だか怒った様な顔をして、今お膳を持って降りて行った所です。お腹が一杯の時は、吉ちゃんがおとなしいので、この間に書きましょう。吉ちゃんと云ってもよその人ではないのです。私の一つの名前なのです。
書き始めてから五日になります。字も知らないし、こんなに長く書くのは初めてですから、なかなかはかどりません。一枚書くのに一日かかることもあります。
今日は、私が初めてびっくりした時のことを書きましょう。
私や外の人達は、みんな人間というもので、魚や虫や鼠などとは別の生きたものであって、みんな同じ形をしているものだということを、長い間知りませんでした。人間には色々な形があるのだと思い込んで居りました。それは、私が沢山の人間を見たことがないものだから、そんな間違った考えになったのです。
七歳位の時だと思います。その時分まで、私はおくみさんとおくみさんの次に来る様になったおよねさんの外には人間を見たことがなかったものですから、あの時およねさんが、難儀をして私の巾の広い身体を抱き上げて、鉄棒のはまった高い窓から、外の広い原っぱを見せてくれた時、そこを一人の人間が歩いて行くのを見て、私はアッとびっくりしてしまったのです