Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
だって、僕達に親だとか友達だとかあったのは、ここでは、みんな前世の夢みたいなもんだからね」
そして、諸戸はこの世のものとも思われぬ、醜悪怪奇なる大陰謀について、語り始めたのであった。
「諸戸屋敷に滞在していた時、毎日別室で、丈五郎の奴と口論していたのを、君も知っているだろう。あの時、すっかり奴の秘密を聞いてしまったのだよ。
諸戸家の先代が、化物みたいな、傴僂の下女に手をつけて生れたのが、丈五郎なのだ。無論正妻はあったし、そんな化物に手をつけたのは、ほんの物好きな出来心だったから、因果と母親に輪をかけた片輪の子供が生れると、丈五郎の父親は、彼等母子をいとい憎んで、金をつけて島の外へ追放してしまった。母親は正妻ではないので、親の姓を名乗っていた。それが諸戸なのだ。丈五郎は今では樋口家の主だけれど、あたりまえの人間を呪うの余り、姓までも樋口を厭い、諸戸で押し通しているのだ。
母親は生れたばかりの丈五郎をつれて、本土の山奥で乞食みたいな生活をしながら、世を呪い人を呪った。丈五郎は幾年月この呪いの声を子守歌として育った。彼等はまるで別の獣ででもある様に、あたり前の人間を恐れ憎んだ。