Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まごしちとずんど

孫七とずんど

山本 周五郎

Lesen Sie 孫七とずんど (まごしちとずんど) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.189 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

「おまえまた面倒くさいことを云いだすんじゃないのか」

「面倒くさいことはないさ、物の道理を考えてみればわかる、だってそうだろう、独身ということは妻がないということだ、してみれば、順序として世継ぎの子もないという勘定になる、そうすれば、おれがもしこのつぎ戦場に出て、武運めでたく討死をした場合に、いったい誰が柿ノ木の家名を継ぐと思うのかね……」

寸度はもうそこにいなかった、我慢を切らして駈けだしていた。孫七郎はそのうしろ姿を見送りながら「おい石原寸度右衛門」と呼びかけた、「おまえはなしはわかったのか」すると寸度はふり向きもしないで、「わかった」と叫び返した、嫁のことひきうけたよと。孫七郎はいかにも憐れみに堪えないという眼つきで見やり、ゆっくりとこう呟いた。

「あれもこらえ性のない男だ」