Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Lesen Sie 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.259 Zeichen · 222 Bildschirme
風貌、狸に似たりとて、この仇名があった。
今の伊志井寛君、舞踊家の石井美代さんの厳父である。
日本太郎
さっきの知人の手紙にもあった日本太郎はどうしたろう。恐らくもう死んでしまったろう。日本太郎には、わが青春の明暗二つの思い出が絡まっている。少しおもはゆいが今日はそれを書いてみよう。
太郎は矮小ないと貧弱な壮士風な男で、お釜帽子をかぶり、懐中から紙の雪を取り出してちらし、ピストルを射ち、捕縄を振り廻し、刑事と怪盗の大捕物よろしくの独劇をやった。また風音で慌しくことあり気に現れて来てあたりを見廻し、
「高い山から谷底見れば、瓜や茄子の……」
ここまで棒読みのように言って、さて五本の指の尖を上向けて丸く集め、花ひらく恰好を二度(すなわちそれが瓜と茄子との花なのだろう!)やると同時にすててこの時のようなスポッスポッという音を同じく口で二度させて、
「花盛り……花盛り……」
とまた同じ調子で言い棄ててそのまま下りて行くこともあった。新内流しを合方に皺枯れた先代團蔵の声色は、まだ耳許に残っている。
また太郎は客席へ針金を張りめぐらしてそこを自在にわたったそうだが、これは私は見ていない。