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Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

なお一合ばかり登ると、変幻極まりない雲が、また出た、しかも夏雲のように、重々しく平板状に横わらないで、垂直に高く突っ立ち上り、我が大火山の赤壁と、両々対立していたが、やがてこの灰色の浮動する壁は、海洋からの温暖なる軟風に吹かれて、斜に推し倒され蝕ったように穴を生じて、その穴の底の方から、岩燕の啼く音が聞えた。

初めて雪に触れたのは、七、八合目の間であった、殊に八合目の室だけは、どういうものか、半ば戸が開いて、中の水桶には厚氷が張り詰めている、誰かが捨てて行った手拭は、板のように硬くシャチ張っている。

一同は杖に倚って、水涸れの富士川を瞰下しながら、しばらく息を吐く。

四

雪の厚さは二寸か三寸ばかり、屏風が浦という、硬い熔岩の褶折が、骨高に自然の防風牆となっている陰には、風に吹き落されたものか、雪が最も多くて、峡流のように麓へ向って放射している、その重味で、黒沙の土が刳ぐられたように凹んでいる、黒沙を穿つと、その下にも結晶した白いのが、燦りと光る、山体が小さく尖って来るほど、風が附き添って攀じ上り、疾く吹きなぐるので、熔岩を楯に身をすぼめ、味も汁気もない握り飯を喰べて、腹を拵える。