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Japanische Klassiker mit Furigana

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あずさがわのじょうりゅう

山岳紀行文集 日本アルプス

小島 烏水

Lesen Sie 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) von 小島 烏水 (こじまうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.795 Zeichen · 274 Bildschirme

Aozora Bunko

九合目に来た、もう一杯の雪で、コンクリートで堅めたように凍っているから、鳶口ででもなければ、普通の金剛杖では、立ちそうにもない、胸突八丁、大ダルミなどは、大分息苦しく、殊に足の辷り方が烈しかったが、それでも思いの外に、怯まずに登りついた。

駒ヶ岳から浅間祠前は、雪が凝って、鱗のように、あるいは貝殻を刻んだように、皺が寄っている、一尺位は深いところで積っているかも知れないが、杖が立たないから、測ることも出来ず、また実はそういう、余裕も、寒さのためになかったので、直ぐに鉄の頸輪のように、噴火口を繞れる熔岩塊の最高点、剣ヶ峰――海抜三七七八米突まで登り切ると、北風は虚空の中を棒を振るようにヒュウヒュウ呻り声を立て、顔や手足の嫌なくチクチク刺す。初冬の山と幾分か軽く視て、雪中の登山服装というほどの準備もしていなかったため、幾重の衣も徹されて、腹から股にかけ、薊で撫で廻されるような疼痛を感じ初めた、唇はピリッとして、亀裂するかと惑われ、その寒さにわなわなと骨髄から震動した。

足許を瞰下すと、火口壁の周辺からは、蝋燭の融けてまた凝ったような氷柱が、組紐の如く、何本となく、尖端を鋭くして、舌のように垂れている、火口底は割合に、雪が多くない。