Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
次いで目附が来る。大目附が来る。本締が来る。医師を呼びに遣る。三右衛門の妻子のいる蠣殻町の中邸へ使が走って行く。
三右衛門は精神が慥で、役人等に問われて、はっきりした返事をした。自分には意趣遺恨を受ける覚は無い。白紙の手紙を持って来て切って掛かった男は、顔を知って名を知らぬ表小使である。多分金銀に望を繋けたものであろう。家督相続の事を宜しく頼む。敵を討ってくれるように、伜に言って貰いたいと云うのである。その間三右衛門は「残念だ、残念だ」と度々繰り返して云った。
現場に落ちていた刀は、二三日前作事の方に勤めていた五瀬某が、詰所に掛けて置いたのを盗まれた品であった。門番を調べてみれば、卯刻過に表小使亀蔵と云うものが、急用のお使だと云って通用門を出たと云うことである。亀蔵は神田久右衛門町代地の仲間口入宿富士屋治三郎が入れた男で、二十歳になる。下請宿は若狭屋亀吉である。表小使亀蔵が部屋を改めて見れば、山本の外四人の金部屋役人に、それぞれ宛てた封書があって、中は皆白紙である。
察するに亀蔵は、早晩泊番の中の誰かを殺して金を盗もうと、兼て謀っていたのであろう。