Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
奥羽その外の凶歉のために、江戸は物価の騰貴した年なので、心得違のものが出来たのであろうと云うことになった。天保四年は小売米百文に五合五勺になった。天明以後の飢饉年である。
医師が来て、三右衛門に手当をした。
親族が駆け附けた。蠣殻町の中邸から来たのは、三右衛門の女房と、伜宇平とである。宇平は十九歳になっている。宇平の姉りよは細川長門守興建の奥に勤めていたので、豊島町の細川邸から来た。当年二十二歳である。三右衛門の女房は後添で、りよと宇平とのためには継母である。この外にまだ三右衛門の妹で、小倉新田の城主小笠原備後守貞謙の家来原田某の妻になって、麻布日が窪の小笠原邸にいるのがあるが、それは間に合わないで、酒井邸には来なかった。
三右衛門は医師が余り物を言わぬが好いと云うのに構わず、女房子供にも、役人に言ったと同じ事を繰り返して言って聞せた。
蠣殻町の住いは手狭で、介抱が行き届くまいと言うので、浜町添邸の神戸某方で、三右衛門を引き取るように沙汰せられた。これは山本家の遠い親戚である。妻子はそこへ附き添って往った。そのうちに原田の女房も来た。
神戸方で三右衛門は二十七日の寅の刻に絶命した。