Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟 (ひゃくものがたり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.466 Zeichen · 92 Bildschirme
その日の酉の下刻に、上邸から見分に来た。徒目附、小人目附等に、手附が附いて来たのである。見分の役人は三右衛門の女房、伜宇平、娘りよの口書を取った。
役人の復命に依って、酒井家から沙汰があった。三右衛門が重手を負いながら、癖者を中の口まで追って出たのは、「平生の心得方宜に附、格式相当の葬儀可取行」と云うのである。三右衛門の創を受けた現場にあった、癖者の刀は、役人の手で元の持主五瀬某に見せられた。
二十八日に三右衛門の遺骸は、山本家の菩提所浅草堂前の遍立寺に葬られた。葬を出す前に、神戸方で三右衛門が遭難当時に持っていた物の始末をした時、大小も当然伜宇平が持って帰る筈であったが、娘りよは切に請うて脇差を譲り受けた。そして宇平がそれを承諾すると、泣き腫らしていた、りよの目が、刹那の間喜にかがやいた。
侍が親を殺害せられた場合には、敵討をしなくてはならない。ましてや三右衛門が遺族に取っては、その敵討が故人の遺言になっている。そこで親族打ち寄って、度々評議を凝らした末、翌天保五年甲午の歳の正月中旬に、表向敵討の願をした。
評議の席で一番熱心に復讐がしたいと言い続けて、成功を急いで気を苛ったのは宇平であった。